2016/09/01 00:00




僕たちがどのような思いでテーマをつくって、本を選び、
また、それらはどのようにステキな本なのかを、しっかりと伝える場にしたいと思います。


世の中には、みっつのスタイルの新刊書店があります。

ひとつめはネットショップ。
アマゾンに代表されるこのスタイルは、膨大な在庫から「この本がほしい」という、目的が決まった買い物に最適です。カードで決済され宅配される方法は、在庫があれば(そして大抵の場合、あるのです)翌日に届くくらい早く、便利なものです。

ふたつめはナショナルチェーン。
駅近、郊外型、ショッピングモールの中、広大な坪数、そして同じ什器を使った本屋群は、発売したばかりの新刊を買うのと、ジャンル毎で本を探すときに便利です。本棚のあいだを迷う喜び。実用書・文芸等々、種類を問わず、行き慣れた本屋は、同系列なら別の店舗に行っても探しやすく、本を習慣的に買うユーザーがリピートします。



最後にインディペンデント。
「町の本屋」というほうが耳に馴染むかもしれません。神楽坂のかもめブックスも、ここに分類されます。
僕たち小さな町の本屋は、物量で大型書店やネットショップと競うことはしません。だって棚には限りがあるから。それよりも、「こんな本があったんだ!」という、本との出会いを提供する場所として、皆さんの一番身近な本屋であり続けます。



かもめブックスでは数週間に一度、「特集棚」という企画をつくっています。
そこで、いろいろな切り口を見つけて本を紹介しているのです。
いつものように本を並べていたら、「あれ? この、特集という本の枠をウェブで紹介していくことは、また違った本屋さんの形になるのではないかな?」と、思いました。
うん、それは、ちょっと言いすぎかもしれませんが、それでも、店頭で伝えきれない僕らの思いを文章にして、本に添えて、皆さんにご紹介をするのは、店頭よりもウェブのほうが、じっくり読めて、沁みるように思えるのです。
ここ「かもめブックス外商部」は、僕たちがどのような思いでテーマをつくって、本を選び、また、それらはどのようにステキな本なのかを、しっかりと伝える場にしたいと思います。
遠方の方も、神楽坂にお寄りの際はかもめブックスを覗いてみてください。
同じ本でも、棚に並んでいると、また違って見えますから。

かもめブックス
柳下恭平