¥5,621
●店頭で展開していた特集から、おすすめのタイトルをセットにしています
店頭特集:ある場所
特集期間:2021年10月25日〜11月14日
・泡/松家仁之(集英社)
・あの家に暮らす四人の女/三浦しをん(中央公論新社)
・古道具 中野商店/川上弘美(新潮社)
・へろへろ/鹿子裕文(筑摩書房)
・一人飲みで生きていく/稲垣えみ子(朝日出版社)
〈本の紹介〉
・泡
近くても遠くても、お互いに心地よい距離が共有されていれば、そこは特別な空間になるのかもしれません。学校に行けなくなった高校生の薫が、大叔父・兼定の住む海辺の町で過ごすひと夏の物語。兼定が営むジャズ喫茶の訳あり従業員・岡田や土地の人々と触れ合いながら、薫は少しずつ自分に一日一日を生きていくための何かを掴みはじめます。素敵な青春小説。
・あの家に暮らす四人の女
一日を終えて戻る場所が、気の置けない友人たちとゲラゲラ笑いあえる家なら、たとえ嫌なことがあっても吹き飛ぶかもしれませんね。杉並の古びた洋館に、父の行方を知らない刺繍作家の佐知と気ままな母・鶴代、佐知の友人の雪乃(毒舌)と多恵美(ダメ男に甘い)の四人が暮らしています。笑いと珍事に事欠かず、ゆるやかに流れる日々。共同生活をおくってみたい方におすすめです。
・古道具 中野商店
日本の古道具屋さんを舞台にしたお話です。人と古道具はどこか似ているという筆者の視点に思わず納得してしまいます。みんなどこか変てこりん、無骨で憎めず不器用でスケールが小さく、けれど懐の深い人々と、なつかしくもチープな品々。中野商店を舞台に繰り広げられる、じれったい恋と世代をこえた友情を描いた傑作長編です。
・へろへろ
「老い」という誰もが避けることのできない命題を前に、最期まで自分らしく生きる場がないのなら自分たちで作ろうと、新しい介護施設を作った人々がいます。あらゆる困難を、笑顔と知恵と勇気で乗り越えていく痛快な実録エッセイです。いくつになってもこうありたいものです。元気をもらえる一冊。
・一人飲みで生きていく
そろそろ部屋で一人で飲むのにも飽きてきた、でも知らないお店に一人で入るのは少し抵抗がある…そんな方にぜひ読んでいただきたい本です。人見知りでも、話がうまくなくても、いいお店を知らなくても大丈夫。幸せになるのに必要な方法はお金以外にもあると気づかされます。かっこつけず楽しく食べて飲むことが、思いがけない自由な人生の一歩となるかも。
ある場所
ここ数年「場所」の持つ力を考えさせられることが多くなりました。
ひとりで居られる場所や誰かと出会える場所のことです。
今、当然のようにあるその場所は、誰かが築いてきたもの。
そして、そこにいる自分もまた、その場所をつくっている一人なんですよね。
こういう時代だからこそ、
人間同士の「距離感」とか「敬意」を学びながら、自分が安らかで居られる
そういった場所の有り難みを感じることが増えたのだと思います。
生きることへの不安や焦燥を少しでもやわらげる
そんな場所をつくっていくことがとてもかっこいい時代ではないでしょうか。