¥6,479
●店頭で展開していた特集から、おすすめのタイトルをセットにしています
店頭特集:秋、実りの季節
特集期間:2021年10月4日〜10月24日
・満ちみてる生/ジョン・ファンテ、栗原俊秀 訳(未知谷)
・硝子戸の中/夏目漱石(岩波書店)
・人生論ノート/三木清(新潮社)
・日の名残り/カズオ・イシグロ、土屋政雄 訳(早川書房)
・一日の終わりの詩集/長田弘(みすず書房)
〈本の紹介〉
・満ちみてる生
著者がハリウッドの脚本家だった30代の体験が描かれています。頑固な父、出産を控えカトリックへの改宗を望む妻、父になり息子という立場を失う自身の喜びや哀しみ、それぞれの「生」を成熟したユーモアで包んだ作品です。
・硝子戸の中
第一次大戦下において、晩年の漱石が終日書斎に坐し、頭の働くまま気分の赴くまま、静かに人生と社会を語った随想集です。私たちも昨今、長く家の中で過ごしながら、世の中や自分自身について思いを巡らすことも多かったのではないでしょうか。今改めて読み返したい一冊です。
・人生論ノート
死、幸福、懐疑、習慣、虚栄、名誉心、怒、人間の条件、孤独、嫉妬、成功…23章から成る本です。少々言い回しが難しいかもしれませんが、作中は生き方の指針になる言葉で溢れています。自分の生き方に迷ったり、課題のようなものにぶつかった時、新たな発見に出会えるはずです。
・日の名残り
長年品格のある執事の道を追求し続けてきた主人公。彼が短い旅に出るところから物語が始まります。美しい田園風景の道すがら、老執事の旅(現在)と回想(過去)が重層的に語られます。失われつつある伝統的な英国を描いたノーベル文学賞作家の代表作です。
・一日の終わりの詩集
仕事に家事、空いた時間には新しい情報に目を通し…というふうに一日はあっという間ですよね。「瞬間でもない、永劫でもない、過去でもない、一日がひとの人生をきざむもっとも大切な時の単位だ」とは著者の言葉。秋の夜に静かに味わいたい詩集です。
秋、実りの季節
残暑も終わり、過ごしやすい季節になりました。
これから冬が来るまでは、みじかくも最高な季節ですよね。
実った果実、脂ののった魚、甘くほっこりとした野菜たちを味わったり。
空気が澄んで高く抜けるような青空や、葉っぱが色づく樹々を愛でたり。
そのおいしさや美しさは一様ではなく、広がりを感じます。
人間でいうなら、成長というより成熟という言葉が似合います。
過ぎてゆく時間にあらがったり、ただはかなさを感じるのではなく、
ささやかな出来事や遠回りに価値を見出して、機嫌よく生きていこう